【まとめ】_ゆるゆる認知行動療法
- 遠藤 一歩
- 1月18日
- 読了時間: 4分
2026年1月17日に福島市の就労支援事業所「凸(デコ)」の家族会で開催された講演
「ゆるゆる認知行動療法」の内容をまとめました。
この講演は、
医療的な厳密な治療というよりも、
日常生活でストレスを減らし、自分で問題を解決する力を養うための
「大人の考え方教室」
として位置づけられています。
1. 「ゆるゆる認知行動療法」とは?
定義と目的
認知行動療法(CBT)とは、ストレスなどで凝り固まった「考え方(認知)」や「行動」にアプローチして、気分を楽にする心理療法です。
今回の講座では、これを厳格な医療行為としてではなく、
「自分で問題を解決できる力を養う」
ためのツールとして紹介しています。
最終的なゴールは、他人の意見に流されず自分で考えて幸せになること、
そして「幸せな時間の積み重ね」を増やすことです。
グランドルール
参加者が安心して取り組めるよう、以下のルールが設けられています。
明るく、楽しく
違いを認め合う
結論は出さない
2. 認知の仕組み(心のメカニズム)
私たちの感情や行動は、出来事そのものではなく、
その受け取り方(認知)によって決まります。
このプロセスは以下のモデルで説明されます。
基本モデル
出来事 認知 感情・身体反応・行動
この4つが互いに影響し合う悪循環に気づくことがスタート地点です。
認知の二層構造(氷山モデル)
認知には、意識しやすい浅い部分と、意識しにくい深い部分があります。
自動思考(浅いレベル): 出来事に対して瞬間的に浮かぶ考えやイメージ
(例:「怖い」「嫌だ」)。
スキーマ(深いレベル): 自動思考の根底にある「思い込み」「信念」「価値観」(例:「犬は噛むものだ」「正解が必ずある」)。
3. 具体的な事例とスキーマの分析
講演では、いくつかの例を通して、
自動思考の裏にある「スキーマ(思い込み)」を探る練習が行われました。
犬の例:
同じ犬を見ても「可愛い」と思う人と「怖い」と思う人がいる。
「怖い」と感じる人の背景には、「犬は噛みつく動物だ」というスキーマや過去の経験がある。
スマホに夢中な人の例:
反応A: 「スマホ依存だ!けしからん!」 $\rightarrow$ 背景スキーマ:「私は指導監督すべき立場だ」「こうあるべきだ」。
反応B: 「何が背景にあるんだろう?」 $\rightarrow$ 背景スキーマ:「一緒に考えよう」「事情があるはずだ」。
前者は上下関係、後者はフラットな関係性を示しています。
コップの水(半分しかない vs 半分もある):
一般的に「ポジティブが良い」とされがちだが、「ポジティブ=正解、ネガティブ=不正解」と決めつけること自体が、「白黒つけなければならない」という思い込み(スキーマ)である可能性がある。
4. 実践テクニック:思考をほぐす2つの魔法の言葉
凝り固まった認知(スキーマ)をほぐし、
論理的(大人)な考え方をするために、自分自身に以下の2つを問いかけます。
「ほんとう?(Is that true?)」
その考えは事実なのか、ただの感情や解釈なのかを分けるため。
「逆は?(What about the reverse?)」
あえて逆の可能性を考えることで、視点を強制的に切り替え、思い込みから脱却するため。
これらは「認知再構成法」と呼ばれる手法の一部ですが、無理に考えを変えることが目的ではなく、**「事実と感情を分けて考える(論理性)」**ことが重要だと説かれています。
5. 家族会での共有・対話
講演の後半や質疑応答では、参加者の実体験に基づいた共有が行われました。
多様性の尊重: 「認知を変えること」を強制しない。例えば「犬が嫌い」という認知のままでも良く、大切なのはお互いの認知の「違い」を認め合うフラットな関係性である。
日常生活での実践: 不登校の子供への対応や、自分自身を褒める習慣(「偉い」「ありがとう」と自分に言う)など、日常の中で自己肯定感を高め、ストレスに対処する方法が話し合われました。
宿題: 最近腹が立った状況を書き出し、「本当?」「逆は?」と問いかけて、自分のどんな思い込み(スキーマ)が影響していたかを探ることが提案されました。
まとめ
この「ゆるゆる認知行動療法」は、
ストレスの原因となる「自動思考」と、その奥にある「スキーマ(思い込み)」に気づくことを重視しています。
「本当?」「逆は?」
というシンプルな問いかけを通じて、感情に流されずに事実を見る「論理性」を養い、自ら幸せを選択できる力を身につけることが、この会の主なメッセージでした。
次回は、2月21日㈯14:00を予定しております。
内容は、ゆるゆる『行動療法』です。
たくさんのご参加、お待ちしております!



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