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  • 遠藤 一歩

【発達障がい支援】止めたコト/捨てたコト

更新日:2月11日

発達障がい支援をしている中での気づきと、それに伴ってやめたことがあります。


◆結論:本質

信頼関係が構築されると、人々はリラックスし、自問自答をはじめる。

そして、何をしたいか?を模索し始める


◆気づき

特性は継続する

好きなコト以外はストレス

ストレスの軽減が優先


◆やめたコト

苦手の克服

協同意識

押しつけ


◆基本方針

自分で決める

信頼する

特性を軽減するのはクスリかシクミ


説明をします。


〇気づき:特性は継続する

特性は、『持って生まれた性質』と言い換える事ができます。

そんなの知ってるよ、当たり前じゃん。と人々は言います。


それが、いざ支援となると、

アセスメントをして、苦手を見つけ、細かく要素分解して、

課題を抽出して、目標設定。

進捗管理をして、なんとか苦手を『克服』しようとします。


前職が『問題解決』であった私は、そんなスキームが得意です。

目標設定や目標達成は、そうするものだ、と思い込んでいました。

が、

大きな見落としがありました。

それが、


〇気づき:好きなコト以外はストレス

これもまた、

言葉では理解していても、その重大性を理解しておりませんでした。


好きなコト、好きな環境と言ってもいいかもしれません。


なぜ、それが好きなのか?

それは、それ以外が嫌いだからです。


発達障がい当事者は、特性があるために、苦手なコトは多いのは事実。

だれしも苦手なコトは避けたいはず。

発達障がい当事者は、それが多い。


そして、

その苦手感が強いのが発達障がい当事者。

その感覚は、本人でなくては分かりません。


外に出ると日の光がまぶしい

人の話し声が気になる

肌着の触感がイヤだ 等々、色々な特性由来の苦手さがあります。


言葉にすると至極当たり前なのですが、その強さは本人でなくては分かりません。

仮にその強さが、とてつもないものだとすると、

それらを回避するための行動は、当然ですし、

周囲はその回避行動を認めなくてはいけません。


決して

『甘えだ』

『ほかの人も我慢しているんだ』

など、口が裂けても言ってはいけません。


好きなコトに逃げ込む事も、仕方ないかと思います。

むしろ、自然なコト。

周囲は理解すべきこと、と捉える事ができます。


もし、

肌着の材質などを記載している『タグ』の触感が

『日本刀の刃』に触れている感覚だとしたら、

あなたはどんな感情をもちますか?


あなたは、その肌着をまた着ようと思いますか?

着なきゃいけない状況を避けられない場合、

『地獄』のような苦しみの前は、どんな気持ちでしょうか?


想像してみましょう!


〇気づき:ストレスの軽減が優先

特性由来の苦手さ、によるストレスは大きいのではないか?

と仮定すると、人間は当然、回避行動をとります。


それでも軽減できない苦手さはあるかもしれません。


その苦手さと、四六時中、格闘しなければいけない

とすると、疲労してしまう。

特に、脳疲労は大きいだろうな、と考えられます。


発達障がい当事者は疲れやすい

とよく聞きます。


先の状態が、その理由によって起きるのだとすると、

なるほど、常に疲れた状態でいるのは、理解できます。


外出がおっくう

お風呂に入りたくない

あの肌着は着たくない

など、

回避行動を取る場合、何らかの理由があるかもしれません。


その理由が、

特性由来のモノなのかどうかを見極める必要があります。

もしそうであれば、その回避行動は、推奨されるものです。


そして、

普段から疲れやすい発達障がい当事者は、

減りやすいその体力を温存しなければいけません。


何気なく、無防備に時間を過ごすと、

いつのまにか自然にストレスを受け、

何気なくライフがゼロ、

なんてこともよくあるのではないでしょうか?


ストレス軽減は、優先順位最上位かもしれません。


〇やめたコト:苦手の克服

そんな発達障がい当事者と毎日、長い時間を一緒に過ごしていると、

『苦手の克服』

に、我々はおろか、当事者たちも自然に目がいくことに気が付きます。


謎の刷り込みが、全員に備わっています。


しかも、不幸なコトに

『苦手の克服』に成功した人にお会いしたことがありません。


さらに不幸なコトに

『苦手の克服』に成功し、

『得意になった』人は、聞いたことすらありません。


成功率は、きわめて低いのかもしれません。


発達障がい当事者の『苦手』は、

『日本刀』の例のように、とても大きく辛いモノだと仮定すると、

立ち向かうべきではない

という結論に至ります。


克服ではなく、回避 しましょう!


〇やめたコト:協同意識

外に出るとまぶしい

人の話し声が気になる

肌着の触感がイヤだ など、苦手さはヒトそれぞれ。


そんな中で、

『さぁ、みんなで一緒に』や

『さぁ、では〇〇さんとペアになって』的な支援プログラムをすると、

当事者の皆さんはそろって同じ感情が出るようです。


『失敗したらどうしよう?』

『迷惑をかけたらどうしよう?』


それは大きなストレスを生んでしまいます。

支援が逆効果です。


自分が好きなコトを、

自分のペースで、

自分独りでコツコツと進めていくのが、

ストレスがない支援の進め方なのかもしれません。


〇やめたコト:押しつけ

よく使われる言葉

『普通』


あ?別に、フツー

普通が一番

あー、普通でよかった

など、

つい使ってしまいます。


小中学校では、

特別支援が不要の学級を 

通常級


高校では 

普通科

などもあります。


ある教育委員会の方は、

『〇さえできれば、通常級で学ぶことも可能になります』

などと、公然とご発言されてもいました。


普通・通常


この言葉は、

普通と

普通ではない状態を区別します。


普通であることが良いコト、

自分の立ち位置が普通の範囲に収まっていると安心である

という意味も含まれます。


とすると

普通ではないことに違和感、もしくは劣等感を感じるようになります。

確かに少数派になってしまうでしょうし、

不安感を覚える方もいらっしゃるでしょう。


コレが、無意識で起きています。


周囲は、

無意識で『普通』になるコト

無意識で『普通』といわれる枠・スペースに入ること

が安心であり、

正義であるという価値観を押し付けてしまいます。


しつこいですが、

コレが、日常的に、無意識で起きています。


無意識

とは、

意識が無いと書きます。

その文字の通り、意識するコト、

コントロールするコトが困難。

なかなか、上手くいきません。


なので

先に述べた『苦手の克服』に、どうしても意識が向いてしまいます。


世にあふれる

『普通』

とどう対峙するか?今後も模索を進めていきます。


〇基本方針:自分で決める

でこゼミの講座風景はカオスです。


講座を聴いている人

講座を聴いていない人

PCを使って、プログラミングの学習をする人

PCを使って、WordやExcelの学習をする人

PCを使って、Youtubeでアニメの動画を視聴している人


編み物をする人

水彩画を描く人

スースーとお昼寝をしている人


様々です。

全く注意をされません。

なにをするか?は、自分で決めます。


〇基本方針:信頼する

何をするのか?

自分で決める。


すると、

実に個性的に皆さんが動き出します。


好きなことをやる。


好きなことに取り組む最大のメリットは、

『リラックス』です。


凸ゼミ福島に来て、好きなコトをやる。リラックスをする。


すると、

皆さんは、考え始めます。

『あれ?自分は本当にこれがやりたいコトなのか?』


すると、

多くの方が違う方向に歩き出します。


『WordととExcelを教えてください』

『履歴書って、どう書くんですか?』

『さっきの求人票を見せてください』


コレが本当の意味での、『自分で決める』


自分で決めて行動している方。

とても美しく、イキイキとしていらっしゃいます。


そんな変化の瞬間に出会えると、私は最高です!


〇基本方針:特性を軽減するのはクスリかシクミ

『発達障がい』を治す、特性を軽減する。


発達障がい当事者の頭の中の多くを占めているのが、こんな考えだと思います。


私の経験から一つの考えが固まりました。

『発達障がい』を治す、特性を軽減するのは、困難である


方法はあるのかもしれません。

が、

発達障がい由来の苦手さによる『できない』という辛さに、

長い時間向き合うコトは大きなストレスを伴います。

そして、心身が疲弊します。


凸ゼミ福島は矯正施設ではありません。

苦手に対しては上手に回避したり、工夫をこらしたり、周囲に配慮をもらえるように

自分から言えるようにする場所です。


そして、それでも軽減したいのであれば、医師に相談しましょう。


我々は、

発達障がい当事者の方々がイキイキとされるコトをゴールの一つだと考えています。


さぁ、アナタは何を意識しますか?


以上、お読み取りいただき誠にありがとうございます。

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