みなさんこんばんは!
いつも読んでくださってありがとうございます。
みなさんが読んでくださっていることだけを励みに日々書かせていただいております。
本日の記事は、先日3/24(水)に行われました、
特例子会社 (株)ゲオビジネスサポート様とわたしたち凸ゼミ福島とのコラボ企画、
『就労セミナー』(前編)
∼200名の障がい者が活き活きと働き続ける仕組み∼
の、後編をお伝えしたいと思います。前回の記事では、
①特例子会社について
②SC(ストアコーディネーター)について
③特例子会社 (株)ゲオビジネスサポートについて
④会社設立の想いについて
前回記事はこちらから!!!
をまとめさせていただきました。そして後編となる今回は、
①職場定着するために、障害者本人がするべきこと
②職場定着するために、支援者側ができること
③まとめ
をお伝えさせていただきたいと思います。
『就労セミナー』(後編)
∼200名の障がい者が活き活きと働き続ける仕組み∼
①職場定着するために、障害者本人がするべきこと
障害者が職場定着するためにまず大事なことは、
①職場が求める職務能力と障害者本人の能力が一致しているか
②症状が安定しており安定就労が見込めるか
まずはこの2点がとても大切です。
この2点が満たされていないと、長期にわたって仕事を続けていくのは難しいでしょう。
そのため、ゲオビジネスサポートでは選考の段階でしっかりと見極めを行っています。
①職場見学と面談→②2週間の実習と振り返り面談→③最終面接→④トライアル入社→
⑤本採用 (※書類選考はどこに入るか不明)
という流れをとっています。
そして、求める人物像が2つあります。
1.自己成長の目的を体現できる人
(いくら周囲の配慮があっても目標や目的がなければ人は成長できない)
2.『働くこと』に意味や喜びを見出せる
(「なぜ働くのか」の問いにちゃんと答えを持っている)
『障害者雇用にしては大変だなぁ』と感じた方もいらっしゃると思いますが、
①履歴書&職務経歴書の書類審査→②面接→③トライアル入社→④本採用
といった、一般的な障害者採用の流れでは、
①当人が本当にその仕事に向いているのか?
②職場環境に馴染んで上手くやっていけそうか?
などの重要な点を見極めることが出来るでしょうか?
恐らく難しいでしょう。履歴書や職務経歴書は皆、プロに添削などしてもっていますし、面接も何度も何度も練習することである程度のところまでは仕上げることができます。
そのような流れでミスマッチに気が付けずに入社してしまった場合、お互いにとって損失です。『LOSE-LOSE』の結果になってしまうでしょう。
なので、入社前にしっかり時間をかけて見極めてからの方が、結果としてお互い『WIN-WIN』の結果になるのだと思います。
仮に貴方が面接官になったとして、プロの手で添削がたくさん入った履歴書・職務経歴書を読み、練習に練習を重ねた面接を30分しただけで、受験者が本当に自分の会社に馴染んで、求める能力を十二分に発揮して長く働いてくれるのかを判断できますか?
長年採用に関わってきた方なら経験からある程度は分るでしょうが、そう簡単には人間の本質は見抜けません。
学生であれば、新しい友達などとも半年∼1年と交流を重ねていくうちにやっとその人の本当の性格が見えてくるのではないでしょうか。
話しが少し横にそれてしまいましたが、晴れてやっとトライアル採用になったとき、
『3つの約束』をしてもらうそうです。
1.遅刻・欠勤・早退をしないように『自己管理』をしっかりおこなう
絶対に遅刻・欠勤・早退をするなということではなく、出来るだけしないように自己管理をしっかりおこなうということ。万が一体調を崩したらきちんと『報告』をする。『無理をしない』ということも自己管理のひとつです。
2.仕事は早さも大事だが、丁寧さはもっと大事
まずは丁寧な作業をこころがけていれば、自然とスピードも上がってきます。丁寧に作業をおこない、しっかりできたという体験を重ねれば自信につながります。
3.コミュニケーションをとる
『報告・連絡・相談』のホウレンソウも大切ですが、それと同じくらいに同僚とのコミュニケーションも大事です。会話によるコミュニケーションが苦手だという人でもあいづちを打つだけでもいいのです。大切なのは意志を表そうとする努力。
『約束』というと少し厳しいなぁという印象を持たれる方もいるかもしれませんが、考えても見れば、上記3つはどの会社に入っても求められますよね。
いずれにしても、ゲオビジネスサポートではミスマッチが起きないように、また早期退職にならないようにしっかりとお互いのすり合わせをおこなっている会社のようですね。
②職場定着するために、支援者側がするべきこと
次に、採用した後にできるだけ長く職場に定着して長期にわたって活躍してもらうために支援者側ができること、これにはまず3つの大切なものがあります。
1.アセスメント(客観的な能力の評価と情報収集)
当人の能力をしっかりと客観的に把握して新たな可能性を探ること
2.継続的な支援
入社がゴールではなくスタート。ひとつひとつの支援に継続性をもたせる
3.障害者をサポートする周囲の成長
定着支援などの専門機関が定期的に指導をしたとしても、それを日々実践するのは職場のスタッフであり、当事者本人である。
そして、職場への定着に必要な考え方として、
【問題が発生した時の対応が明確】・・・✖
【職場で起こりうる問題を予測し、職場内で許容できる内容か見極める】・・・○
問題が発生した際の対処法を明確にしておくことは当たり前のことですが、起こりうる問題を事前に予測し、それが職場内で解決できそうなものかそうではないものかを見極めることもさらに大事なことですね。
従来型の支援方法を図にしてみました。
画像作成:ピアサポーター
従来型の支援ではある一定期間が過ぎると基本的に支援が終了し、職場スタッフのナチュラルな支援のみになります。(あくまで基本的には、です)
では、ゲオビジネスサポートのストアコーディネーターでのケースでは、
画像作成:ピアサポーター
ストアコーディネーターの支援頻度は時間に比例して減っていき、職場スタッフのナチュラルサポートに移行していきますが、ストアコーディネーターの支援は一定レベルで継続されます。
そして、障害者が長く働き続けるためにさらに大事なことは、
『連携』が必要不可欠だということです。
れんけいとは「連係」ではなく『連携』です。
連係:つながること→つながるだけでは意味がない
連携:協力して取り組むこと→共に進む状態であることが大事!
障害者雇用でもっとも大事なことは『チーム支援』ができているかどうか。
『適切なチームで居続けられるかどうか』がとても大切なのですね。
また、チームの中に「キーパーソン」のような存在を作り、指導役や相談役を担ってもらい、ストアコーディネーターでは拾えないような小さな困りごとや変化などを見つけ出してもらう。
そして、チーム全体で話し合い、本人にマッチした働き方を見つけていくのです。
③まとめ
障害者が長く働き続けるために大切なことは、
1.自分の職務能力に合った職場選び
2.障害特性の理解と自己管理が出来ており、安定就労が見込まれる
3.働くことに「目的」や「目標」を持っている
4.チームとして連携して継続的な支援をつづけていく
さて、【前編・後編】の2回に渡って(株)ゲオビジネスサポートさんの障害者雇用に関して書いてまいりました。
途中、さすがは大企業、なかなか厳しいなぁと思う場面もあったのですが、最後に振り返って考えてみると『極めて普通で極めて当たり前のことをしっかりとやっておられる』ということが分かりました。
分かってはいるけれどなかなか実行に移せないようなことをきっちりこなされているからこその高い定着率であり、国からも認められるゆえんなのかなと思いました。
障害者雇用のオピニオンリーダーとして、これからの障害者雇用をより良い方向へリードしていってくれることと思います!!
それではまた次の記事でお会いできるのを楽しみにしております!
画像参照:LINE公式ブログ
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