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丹羽真一先生の講演を拝聴して⑴ ∼精神障害のリハビリテーション∼

最終更新: 1月31日

みなさんこんばんは。



1/27㈬ 福島県福島市にあるほりこし心身クリニックにて、福島県立医科大学精神科名誉教授である『丹羽真一先生』の講演を拝聴してきました。



丹羽先生は1972年に東京大学医学部をご卒業され、その後1992年まで東京大学医学部付属病院精神神経科の助手を経て、2012年まで福島県立医科大学医学部附属病院精神医学講座の教授を、また、福島県立医科大学医学部附属病院院長や福島県立医科大学理事などを歴任された福島県の精神医学界もとい日本の精神医学会のレジェンドといっても過言ではない方です。統合失調症の研究、とりわけ、精神疾患死後脳の研究に於いては世界トップレベルの研究をされているそうです。



ご講演のメインテーマは『精神障害のリハビリテーション



行政、医療、福祉、における精神障害者に対するリハビリテーションによるこれまでの歴史及びその効果、また、今後期待される新しいリハビリテーションの在り方、最後に将来の精神科医療の予想絵図をお話ししてくださいました。



とても大事なお話しだったので今回のシリーズは少し長くなってしまうかもしれませんがお付き合いいただけると幸いです。



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第一回『日米における精神障害の定義の差と関連法律の流れ



まず、先生が懸念されていたのは『日米における精神障害の定義の差でした。



日本精神障害者とは統合失調症精神作用物質による急性中毒またはその依存症知的障害精神病質その他の精神疾患を有する者をいう1950年「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」


アメリカ精神疾患があることが立証されている 日常生活に必要な活動を遂行できない コミュニケーション技能が乏しいため社会的孤立、ひきこもりとなっている 仕事を維持・継続できない 簡単な仕事でも精神疾患が再発する危険性がある。(米国 社会保障局)



日本とアメリカを比較してどうお感じになりましたか?



日本における精神障害の定義って物足りないと思いませんでしたか??



日本の定義にはアメリカの定義にある『日常生活に必要な活動を遂行できない』『コミュニケーション能力が乏しいため社会的孤立、ひきこもりとなっている』に該当する定義がないんです。


ちなみに2018年時点での18∼64歳の在宅障害者数が377万人、うち精神障害者が217万人おります。ひきこもりの約58%が精神障害者ということになります。


現代においては日本の精神障害の定義はあまりに古く、アメリカの定義の方が今の日本にマッチしていると言えそうですね。『8050問題』が差し迫っている今、ひきこもりへの対策は急務です。



それでは、医療と福祉・改革の方向に関して少し深堀りしてみましょう。



下記は第二次世界大戦後の日本における『精神障害関連の法』の流れです。



1950年 精神衛生法

   →精神疾患を持つ人の「医療および保護」が焦点でした。この法律では、精神障害者には「保護」が必要という点に問題がありました。


1965年 精神衛生法の改正ライシャワー事件がきっかけ)

   →ライシャワー事件とは、1964年3月24日、米国駐日大使ライシャワー氏が、19歳の精神科治療歴があった日本人青年に右太ももを刺され重傷を負った事件です。親日家大使が刺傷されたこの事件は時の政府に衝撃を与えました。この改正は簡単に言えば「精神障害者をもっと管理せよ」との内容だったそうです。


1987年 精神保健法に改正

   →この改正では精神障害者のリハビリテーションの必要性に言及した法律で、精神障害の改革の転機となる改正となりました。


1995年 精神保健福祉法精神保健及び精神障害者福祉に関する法律へ改正

   →『自立と社会経済活動への参加』として明確化。一連の流れは「隔離・収容から社会参加」への変化、当事者・家族・支援者のニーズと要望が力でしたが、不十分であるとの声も多かったそうです。


2002年 厚生省社会保障審議会障害者部会精神障害者分会

   →『今後の精神保健医療福祉施策について』を発表


・サービスは当事者が居住する地域で提供されるべき

入院中心から地域中心

国民の精神障害についての理解の促進

・退院可能な72,000人の退院促進


2004年 厚生労働省障害保健福祉部

   →『今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)』を発表


2005年6月 障害者雇用促進法改正、精神障害者雇用対策の強化


2005年11月 障害者自立支援法、精神保健福祉法改正

   →精神障害者福祉施策が他の障害とほぼ同じように展開


2018年 障害者雇用義務に精神障害が加わる

   →当事者およびその家族が声を上げることで実現



ここまでが戦後の精神障害に関する法律の変遷でした。隔離・入院が主だった精神障害医療から、自立・社会参加までの道のりは平たんなものではなかったのですね。今私たちが何気なく利用している障害者雇用も先人たちの努力のもとで勝ち取った功績であるということは間違いありません。


ここ数年で精神障害者の雇用数は着実に増えてきているとはいえ、まだまだ少ないというのが現状だと思います。法定雇用率を達成している企業も少ないですし、今後は今まで以上に企業への精神障害に対する理解の促進を進めて行かなければならないと思います。それと同時に当事者である私たちもリカバリーに向けてより一層の努力が求められるのではないでしょうか。



今回は先日の丹羽先生のご講演の内容から『精神障害の定義』と『戦後の精神障害関連の法律の変遷』をまとめさせていただきました。



次回は『現在の精神障害リハビリテーション』について。




それではまた!




参考文献:『精神障害のリハビリテーション』福島県立医科大学・会津医療センター精神医学講座 丹羽真一先生

画像参照:医療法人社団茶畑会-相馬中央病院-医師紹介

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