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コラム:脳について_3/5:脳機能から考える習慣づけ

遠藤 一歩

更新日:2024年8月29日

脳の構造を知ることで、感情コントロールや行動変容が容易になるのではないか?

と考えたので、まとめました。

第3弾目です。


習慣づけに関して、

他者からの言葉がどのように習慣に影響を与えるか?

それに大きく関連する大脳基底核とは何か?

について説明します。


◆大脳基底核の役割


大脳基底核(だいのうきていかく)は、運動の制御や認知機能、感情の処理、そして習慣の形成に関与する脳の深部に位置する一連の構造です。

特に尾状核(びじょうかく)や、被殻(ひかく)が、習慣的な行動の形成に重要です。


◆他者の言葉が習慣に影響を与える経路

1. 言葉の受容と理解

他者からの言葉が耳から入り、聴覚神経を通じて聴覚皮質に届きます。

言葉の内容が理解され、意味が解釈されます(ブローカ野とウェルニッケ野の関与)。


2. 感情の付与

扁桃体が言葉に対する感情反応を引き起こします。

ポジティブな言葉は快の感情、

ネガティブな言葉は不快の感情として認識されます。


3. 動機づけと意思決定

前頭前皮質(前頭葉の一部)は、感情反応をもとに動機づけや意思決定を行います。

他者の言葉によって「やる気」や「意欲」が引き出されることがあります。


4. 大脳基底核への影響

前頭前皮質の決定が、行動の計画を大脳基底核に送ります。

大脳基底核は、その行動を繰り返し実行することで、習慣として定着させます。尾状核や被殻は、行動の自動化を助ける役割を果たします。


5. フィードバックループの形成

繰り返される行動は、成功体験やポジティブなフィードバックを通じて強化されます。

大脳基底核は、これらのフィードバックを受け取り、行動のパターンを強化します。



◆具体例:ポジティブな言葉と習慣の形成

例えば、「毎日少しでも勉強すると良いよ」と言われた場合


1. 言葉の理解

言葉が聴覚皮質で処理され、ブローカ野とウェルニッケ野で意味が理解されます。


2. ポジティブな感情の付与

言葉がポジティブな感情を引き起こし、扁桃体で評価されます。


3. 動機づけ

前頭前皮質で「毎日勉強することは良いことだ」という意識が形成され、動機づけが高まります。


4. 習慣の形成

前頭前皮質から大脳基底核に信号が送られ、勉強の行動が実行されます。

大脳基底核は、その行動を繰り返し行うことで、習慣として定着させます。



◆具体例:ネガティブな言葉と習慣の形成


例「そんなことをしても無駄だ」と言われた場合

1. 言葉の理解

言葉が聴覚皮質で処理され、ブローカ野とウェルニッケ野で意味が理解されます。


2. ネガティブな感情の付与

言葉がネガティブな感情を引き起こし、扁桃体で評価されます。


3. 動機の減少

前頭前皮質で「やる気がなくなる」などの意識が形成され、動機づけが低下します。


4. 習慣の形成

行動を抑制する信号が大脳基底核に送られ、その結果、行動の習慣化が妨げられることがあります。




◆まとめ

他者からの言葉が習慣に影響を与えるプロセスは、

言葉の理解と感情反応、

前頭前皮質による意思決定、

大脳基底核による行動の自動化

という一連の経路を辿ります。

ポジティブな言葉は動機づけを高め、習慣を形成しやすくし、

ネガティブな言葉はその逆の効果を持ちます。


さぁ、あなたは、何をしますか?

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