脳の構造を知ることで、感情コントロールが容易になるのではないか?
と考えてみました。第2弾です。
他者から投げかけられる言葉がどのようにして長期記憶になるのか、
そのプロセスをポジティブな言葉とネガティブな言葉に分けて説明します。
言葉の処理と記憶の形成の基本的な流れ
1. 言葉の受容
耳(聴覚)を通じて言葉の音声情報が受け取られます。
その情報は聴覚神経を通じて、聴覚皮質(側頭葉に位置)に送られます。
2. 言葉の理解
聴覚皮質で音声が処理され、言葉として理解されます。
ブローカ野(前頭葉)とウェルニッケ野(側頭葉)が関与し、言葉の意味が解析されます。
3. 感情の付与
言葉の内容は扁桃体で評価され、感情反応が付与されます。
ポジティブな言葉は快の感情、ネガティブな言葉は不快の感情として認識されます。
4. 記憶の形成
感情が付与された情報は**海馬**に送られ、短期記憶として保持されます。
重要な情報や感情的な強度の高い情報は、繰り返し思い出されたり、感情が強く反応することで、長期記憶として大脳皮質に保存されます。
◆ポジティブな言葉の経路
1. 言葉の受容と理解
ポジティブな言葉を聞くと、聴覚皮質で音声が処理されます。
2. 感情の付与
扁桃体がポジティブな評価を行い、喜びや安心などのポジティブな感情が引き起こされます。
3. 記憶の形成
ポジティブな感情が伴うため、
海馬を経由して大脳皮質に長期記憶として保存されやすくなります。
特に報酬系(ドーパミン系)が活性化されることで、
ポジティブな記憶の強化が促進されます。
◆ネガティブな言葉の経路
1. 言葉の受容と理解
言葉を聞くと、同じく聴覚皮質で音声が処理されます。
2. 感情の付与
扁桃体がネガティブな評価を行い、恐怖や悲しみ、怒りなどのネガティブな感情が引き起こされます。
3. 記憶の形成
ネガティブな感情が伴うため、強い印象として海馬を経由して大脳皮質に保存されます。
ネガティブな経験は
ストレスホルモン(コルチゾール)の影響で、
長期記憶に強く刻まれることがあります。
ポジティブな言葉もネガティブな言葉も、
感情の強度が高いほど長期記憶に残りやすいですが、そのプロセスにはそれぞれ異なる神経メカニズムが関与しています。
ポジティブな言葉は報酬系を通じて、
ネガティブな言葉はストレスホルモンの影響を受けて、記憶に保存されやすくなります。
Comments