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気分障害:理想の睡眠時間とは??(個人の主観100%)

更新日:2021年1月15日

こんばんは。 寒い日が続きますね。





さて唐突ですが、





あなたの理想の睡眠時間を教えましょう!!!





それはですね、








そんなものはわかりません!!!!





なのです。はい。





今回のブログはここで終わ・・・








いやいやいやいや!!!! ちょっと待ってください!!!!


ネットで検索すれば6時間とか7時間とか色々書いてあるじゃないですか~~~!!!





その通りです。


台本通りのツッコミありがとうございます。


分かりました。


では少し深堀して考えてみましょう!!




さて、ネットを検索すればそのような数字が理想の睡眠時間とか平均睡眠時間として出てきますよね。私もそのような数字はよく見ます。





下記のグラフは米国睡眠財団が発表している年代別の推奨睡眠時間です。




これを参照すると、18∼64歳までのYOUNG ADULTとADULTは7~9時間の睡眠が推奨されています。最低でも6時間、最長でも10~11時間ともあります。となると、広く見れば『6~11時間』とも考えることが出来ますが、それでは少し幅が広すぎな気もしますね。


Recommended・・・推奨

May be appropriate ・・・適当な範囲

Not Recommended・・・非推奨




なので一般成人に理想の睡眠時間は?と聞かれたならば一応の正解は『7~9時間』もしくは『6~11時間』と教えてあげれば問題はないのかもしれません。「アメリカの睡眠財団が推奨してるらしいよ!」と言えばみんな納得してくれるかもしれません。米国の研究に日本人は弱いです(多分)。





BUT!!!!



しかし、ここで疑問が2点浮かびます。



みんな7~9時間が理想なの?


毎日7~9時間寝ればいいってこと??



という疑問ですね。


①の疑問は多くの方が抱く疑問なのかもしれませんね。世の中には睡眠は3時間で十分なショートスリーパーの方もいらっしゃいますし、7~9時間という2時間の幅の中ですべての人の理想の睡眠時間を決めてしまうのは無理があるような気もします。でも米国睡眠財団の研究、しっかりとした根拠があるのかもしれませんね。




②の疑問、今回の記事ではこちらの疑問を掘り下げていこうと思います。



気分障害の方にとって、毎日7~9時間睡眠をとることが果たして現実的かつ健康的なのでしょうか??



Aさん(双極性障害Ⅱ型)の場合を例に考えてみましょう。


Aさん:成人男性、気分障害(双極性障害Ⅱ型 過眠型)睡眠薬1錠睡眠導入剤1錠会社員


3/31㈰・・・18時00∼19時30分仮眠


23時30分入眠


4/1㈪・・・6時30分起床 


【睡眠時間:8時間30分


     18時∼19時30仮眠 

   

     23時30分入眠


4/2㈫・・・6時30分起床


  【睡眠時間:8時間30分


     18時∼19時30分仮眠

  

     23時30分入眠


と、ここまでは推奨睡眠時間の範囲で睡眠がとれました。


4/3㈬・・・6時間30分に一度目を覚ますも気分の落ち込みがありもう一度寝る


     9時00分に二度目の起床:会社に遅刻の旨を連絡して11時00分に会社着


睡眠時間:9時間30分


     20時00分入眠:気分の落ち込みによって眠気が強いため夕食後すぐ入眠


4/4㈭・・・6時30分に一度目を覚ますも昨日よりも強い気分の落ち込みが見られたため、


     会社に休みを報告するメールを入れてそのまま寝込む

21時30分起床  


【睡眠時間:25時間30分


23時00入眠 バナナやヨーグルトなどを軽く食べてすぐに入眠


4/5㈮・・・6時30分に一度目を覚ますも昨日同様の強い落ち込みを感じたため、


会社に休みを報告するメールを入れてそのまま寝込む


21時00分起床


     【睡眠時間:22時間


     23:00分入眠 バナナやヨーグルトなどを軽く食べてすぐに入眠


4/6㈯・・・5時00起床:昨夜はあまり眠れなかったが頭が冴えている。躁転したようだ。

         ※躁転:双極性障害で使われる言葉。鬱状態から躁状態に転じること


【睡眠時間:6時間


25時30分入眠:軽躁状態なのであまり眠くならない


4/7㈰・・・5時00起床:睡眠時間は短く、眠りも浅いが頭は冴えた状態。


【睡眠時間:3時間30分





さて、今回はAさん(双極性障害Ⅱ型)の睡眠モデル(普通→鬱→躁)を一週間に凝縮して書いて見ました。本来の双極性障害Ⅱ型の症状は一週間刻みで体調が変化するようなことはあまりありませんが、分かりやすくするために一週間に凝縮しました。


※2∼3ヵ月単位で推移する方、1∼2年単位で推移する方、人によって波の幅や強さはさまざまです。1年間に4回以上繰り返す方を急速交代型(ラピッドサイクラー)と呼びます。


さて、Aさんの一週間の睡眠時間を見てみると、

8時間30分・8時間30分・9時間30分25時間30分・22時間6時間3時間30分


7∼9時間:推奨時間 2日

6∼11時間:適当な範囲 2日

6時間以下11時間以上:非推奨時間 3日

平均睡眠時間:12時間


という結果になりました。


一週間という短い期間でこのような動きを示すケースは稀ですが、実際にあり得なくもないです。



私が伝えたかったこと


このように気分障害の睡眠時間というのは鬱状態か躁状態か、症状の程度、回復期にいるのか悪化期にいるのか、などによってその日に求められる睡眠時間は変わってくるのです。


軽度の鬱状態であれば少し睡眠時間を長くして『10∼12時間』くらいにすれば回復してくれるかもしれません。重度の鬱状態となると丸一日睡眠を欲することもあるでしょう。このような時期の理想の睡眠時間は間違いなく7~9時間ではないはずです。もちろん重度の鬱だからと言って毎日毎日ずーっと寝ていても良いというわけではありませんが、寝ることに専念した方が良い時期もあるということです。


軽度の躁状態の場合は一日の睡眠時間は4∼5時間くらいで済んでしまうでしょう。そのような時期に1日7∼9時間眠るのは難しいです。私の場合は躁を悪化させないためにそういう日は出来るだけアクティブに活動はせずリラックスした状態でいるようにして、夜も出来るだけ多く寝ようとは試みますが難しいと感じることも多いです。全く眠くないのに無理して寝ようとはしません。実際は多少眠りが浅くとも5∼6時間眠れればOKとしています。


このように、双極性障害を例にとって睡眠時間を見てきましたが、気分障害の方であればこういった気分の波は多かれ少なかれあります。そして、『理想の睡眠時間はその時々の状態によって異なってくるということなのです。これがもぐろさんの真の答えです。



『今日は少し鬱気味だから早めに寝よう』


『今日は大分落ちているからバイトは休ませてもらって寝よう』


『今日は少しテンションが上がっているから全然眠気が来ないな・・・。とりあえずリラックス出来る環境にして眠くなってきたら布団に入ろう』



などなど、自分のメンタル状態と対話をして、その時その時のベストな睡眠時間を自分で考える必要があるのです。


裏を返せば、ちょっとの異変にいち早く気が付いて、その都度ベストな睡眠時間を管理できるようになれば症状の悪化を事前に防げるようになるということなのです。


これは一朝一夕で身に着くスキルではありませんが、毎日毎日考えていれば必ず自ずと身についていく技術であり、気分障害を乗りこなすには必須スキルとも言えます。



そのようにして自分としっかりと向き合った上で毎日毎日ベターもしくはベストな睡眠をとり続けていけば、気分の波の振れ幅も少しずつ小さくなっていき、最終的には米国睡眠財団が提唱している『7~9時間』という時間の枠の中におさまるようになっていくのではないでしょうか?


『7~9時間寝れば健康になれる!』

ではなく、その日その日のベストな睡眠時間をとっていけば、自然とあなたの理想の睡眠時間に近づいていくということですね。




気分障害と睡眠、めちゃくちゃ大事なんです。そしてめちゃくちゃ奥が深い。




睡眠を制する者は気分障害を制す




以上になります。




ありがとうございました!

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