新人ピアサポーター

2020年11月25日3 分

『こもりびと』

令和2年11月22日(日)21:00∼22:13、NHKドラマ『こもりびと』が放送された。

カバー画像:NHKより

~この番組はかつては若者に特有のものとされた「ひきこもり」が、内閣府の2017年の調査により「中高年のひきこもり」が61万人に上ることが明らかとなり、世代を問わず多くの人にとって身近なテーマとなっていることを受け、NHKが多方面から改めて考える機会を提供するため「#こもりびと」と名付けたプロジェクトを立ち上げ、プロジェクトの企画の一つとして、高齢の親が中高年となったひきこもりの当事者と共に社会から孤立してしまう「8050問題」の実態に迫るドラマとして本作が制作された一話完結のドラマ。

(なお「こもりびと」という言葉は神奈川県大和市が「ひきこもり」よりも温かみのある呼び方をと名付けた呼称である~(Wikipideaより)

この番組が始まる数日前からTwitter上の精神障がい者の間では話題になっていた番組であり、私自身も氷河期最後の世代でひきこもり経験があるということでとても気になっていた番組だった。

何よりも主演の松山ケンイチさんの役作りの風貌が当時の私にそっくりだったということにも不思議な親近感を感じていた。(親も似てると言っていました笑)

内容はというと、私のケースと似ている点、違う点色々ありましたが、一貫して共通していたのは、

・大きな失敗体験によってひきこもりになってしまった

・ひきこもりが長期化しているため気分が落ちた状態がデフォルトになっている

・ひきこもり期間が長引いてしまったため自己肯定感が大きく低下している

・何をすればよいのかが分からない(ドラマ上ではある程度考えていたが)

・ひきこもりから抜け出すきっかけが掴めない

・行政や福祉の支援が届いていない

・〇にたいと考えている

・毎日が地獄である

である。これは全国の多くのひきこもりの人の共通した悩みではないのでしょうか。

ひきこもりは外から見ると「毎日好きな時間に寝て好きな時間に起きて楽でいいですね」

みたいな見方を皮肉交じりにされることがある。

それはまったく違う。

ひきこもりは地獄だ。

まったく前進していない立ち止まった状態で生きるのは〇んでいるのとほぼ変わらないのだ。

単に生存しているだけ。

市町村・都道府県・国の人口の一人としてカウントされているだけなのだ。

「今日こそ〇にたい、今日こそ〇にたい」

と思いつつ、度胸がなく実行できない。そんな後ろ向きな毎日を繰り返しているだけなのだ。

画像:NHKより

自信が砕け散っているので前にも進めない。

度胸が無くて後ろにも進めない。

ひきこもってしまい、ある程度の時間が流れてしまった場合、そこから抜け出して社会復帰するのはとても難しいことだ。私の経験から言わせてもらえば、ひきこもりが社会復帰にいたるまでには、医療・福祉・行政・家族の協力が不可欠だ。

もしも慢性的な気分の低下が続いているのであれば、精神科に行った方が良い場合もあるだろう。精神科のデイケアを利用するのもとても有用だ。(私も利用した)

精神科に通わないとしても、いきなりハローワークに行って企業に応募するのはあまりお勧めしない。長期ひきこもりによって体力・精神力は著しく低下しているだろう。行政・福祉の力を借りて就労移行支援事業所や就労継続支援A型B型事業所にまずは通って体力・精神力を回復させてから就職するのが一見遠回りなようで実は近道なのかもしれない。

全国に100万人以上いるといわれているひきこもり、ひとりでも多くの方がこの険しいトンネルから抜けて社会復帰されることを願っている。

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